(錦町) - 雙津峡温泉 (訪問日; 2016-03-26)
国鉄民営化の時点で途中まで路盤が完成していた岩日北線ですが、その路盤を使って錦町から雙津温泉まで約10kmに「とことこトレイン」という観光バスが走っています。(といっても、今回行ってみて初めて知ったのですが)
路盤上はアスファルト舗装されていて、橋梁上には歩道と転落防止の保護柵付き。車両を乗入れるところはありませんが、別にフェンスで封鎖している訳ではないので人が入るのは容易。行った日も近所の人が散歩していました。ほとんど高低差が無いし、車は通らないし(シーズンには日に数回、電気自動車が来ますが)、沿道には桜並木と菜の花は咲くし、良い散歩道だそうです。
それにしても、谷を鉄橋で渡り山をトンネルで抜ける立派な道が、道路でもなく線路でもないために地図にも載らず人知れず山の中に存在している、といのも不思議な話ではあります。
旧岩日北線 錦町(南方向)を臨む
沿道の桜は、つぼみが少し色づいたところ。1週間後なら咲いていたでしょうな。
トンネルの先の雙津峡温泉まで散歩するおばさん二人。
トンネルの中でバスに出会ったらどうするんだろうと思ったけど、この観光バスが結構小さくてトンネル内でも隙間がありそうだし、スピードも早足で追いつけるほどなので、まあ気にしないんでしょうね。(一応トンネル手前で音を聞いて、バスをやり過ごしてましたが)
雙津峡温泉駅へは雙津峡温泉から少し上流に行ったところで国道434から川沿いに降りて赤い吊り橋を渡ります。進入禁止の標識はないし重量制限2tという事は単車は通れるという事だな、と自分に言い聞かせて渡りましたが、 グレーチングの上を揺れながら通るのはなかなかスリリング。渡ったところにある細い坂道(階段ではない)を登ったところが雙津峡温泉駅。
ホームは無く、代わりに円形待合所の周りを電動バスがぐるっと回ってUターンする仕組み。当然無人駅で券売機はなし、トイレと自販機はあり。駐車場も駐輪場もなし。(まあ車なら温泉宿に停めて歩いて来れます)
六日市方向のトンネルはフェンスで通行止め。散歩道もここまで。
この先、旧岩日北線は国道434号に沿って北上し、須川集落あたりで六日市に向かって国道を離れてトンネルに消えます。ここのトンネルもフェンスで閉鎖。この先、六日市へは谷筋が違う(というか分水嶺を越える)ので結構な長さのトンネルになるはずですが、追跡できるのはここまで。ここから先は、いわゆる廃線マニアの世界ですから。
旧岩日北線 雙津峡温泉駅から約5km。この先のトンネルも閉鎖されてますが、橋梁部は律儀に歩道と保護柵付き。あるいは人が通ることを前提にしているのか?