tkmov(バイクとローカル線と)

バイクでローカル線を巡るという、少し変なブログ。訪問駅のリストは、カテゴリ「事務連絡」の中の「駅名リストのリスト」から辿る事が出来ます。

城端線:沿線-温室風神社

(訪問日: 2023/06/14)

この6月に北陸、信越会津をツーリングした動機の一つは、小さな神社を見て回る事でして。10年近く前のSSTRで富山の八尾を通った時に、軒下をガラス戸で囲った温室のような神社を見たのですが(下の写真は八尾の神明社)、富山にはこういうガラス戸で囲った神社が多いらしいと気づいたので、それを確かめてみたくて見て回ることにしたのでした。下の写真は以前に見た八尾駅近くの神明社で、近くの人に聞くと、冬の積雪で拝所の階段や縁側が痛むのを嫌がってこうしているとの事ですが、かといって新潟や東北の雪国でこうしているのを見た事は無いし、各地を見比べてみようと思った次第。

対象は村々にある小さな神社で、県社になっているような有名どころは除外(そういうところは、こういう造作になっているのを聞いたことが無いからですし、実際に見て回るとガラス戸囲いをしている所はないので)。で、そういう小社の数は膨大なので(なにせコンビニの何倍も数があるそうですし)、コース沿線で適当にGoogle mapに出てくる神社を見て回ったので、選び方は適当です。

それではまず、高岡市内から。

  • 京田神社(高岡市街)(囲いあり):新高岡駅から高岡市街へ行く途中、住宅街の中にある神社で、塩ビのような波板で軒下をぐるりと囲われています。昔であれば板囲いであったのかもしれません。

  • 日枝社(高岡市街)(囲いあり):これも高岡へ向かう途中の住宅地の中にあり、正面の階(きざはし)から全周をきっちりとガラス戸で囲ってあります。

  • 白山天満宮(高岡市街)(囲いあり):こちらは住宅街にあるというより、屋敷社みたいな奥まった小さな社です。正面の拝所はあいているけど両側面はガラスで囲われてます。

  • 稲荷大明神金毘羅大権現(高岡市街)(囲い無し):こちらは瑞龍寺の入口脇にある摂社(?)で、立派な覆い屋根があるせいかガラス囲いは無し。

  • 槌宮神社(高岡市街)(囲い無し):こちらは射水神社の次の宮とされている大きな神社だからか、ガラス囲いは無し。あと特徴的なのは西に延びる参道が城端線で断ち切られていて、鳥居が線路向こうに取り残されていることですかね。

  • 大手町神明社(高岡市街)(囲いあり):高岡駅から城跡の射水神社に行く途中にある神明社。拝所の入口はあいていますが、側面から後ろの本殿までキッチリとガラス囲いがあります。

     

  • 金毘羅社(二塚駅近く)(囲い無し):二塚駅から東へ300mほど離れた集落外れの用水路を守るように建つ祠に近い神社ですが、こちらは囲いがありません。ここまででガラス囲いがあった神社は瓦葺だったので、瓦葺でなければガラス囲いにならないのか?、とも思います。

  • 神明社(林駅近く)(囲い無し):周囲を田圃に囲まれた神社ですが、こちらは囲いはありません。

  • 鹿嶋神社(林駅近く)(囲いあり):集落の中の畑地の中に建つ小社ですが、きっちりと全周、背後の本殿までガラス戸で囲われています。

  • 春日神社(戸出駅近く庄川沿い)(囲いあり):庄川沿いの県道脇に、集落内の少し大きな神社ですが、拝所の全周にガラス囲いがあり。ただし背後の本殿は板囲い。特徴は拝所の軒下まで板で塞いでいる所。

  • 大清水神社(戸出駅東)(囲いあり):戸出駅から庄川を渡る中田橋へ行く途中の集落内にある神社で、こちらも拝所がガラス戸で囲われています。拝所の側面や背後の本殿は波板囲いなのですが、両脇の脇社(明神社と諏訪社)の祠までガラス戸囲いです。神社向かいのお宅の人に話を聞けましたが、約30年前にこういうガラス囲いをつけたという事。理由は雪除けという事もあるかもしれないが、軒下に人が入るのを嫌ってこういう造作にしたんだという話です。

  • 照伝寺(戸出市街)(囲いあり):神社ではないけど、戸出駅西の市街地にあるお寺にもガラス戸で縁側を守っています。でも夏は暑くないんだろうか。

  • 五十橿神社(砺波市街)(囲いあり):砺波駅のすぐ近く、商店街の中にある神社です。銅葺屋根でもガラス囲いになっているのは、こちらで初めて見たかも。

  • 苗加神社(東野尻駅入口)(囲いあり):県道から駅に入る途中の集落端にある神社です。拝所の入口だけ空いていて拝所は全周ガラス囲いを設置(ガラスでなくアクリルかも)。背後の本殿は垣囲いは従来通りですが、本殿そのものは拝所と同様にガラス囲いされています。

  •  

    福野の祠(福野市街)(囲いあり):福野駅から西に行く途中の四つ辻にあった祠にも、当たり前のようにガラス囲いが施されています。高い台座の上に作られているので、雪除けが目的というよりも、こういう様式になっているという事かもしれないですね。

 

  • 日吉社(福野構外)(囲いあり):福野駅から東石黒駅へ向かう線路沿いにある神社。ここも郊外ながら民家に囲まれた神社で、拝所はきっちり全周がガラス囲いされていますが、背後の本殿は装飾無しの板囲い。

 

こうしてみると、神社18社中、13社にガラス囲い(板囲い含む)があります。城端線沿線でランダムに調べただけですが、出現率は約7割です。

田畑の中に孤立している古い神社とか、由緒があって古式を残そうとしている神社(出丸神明社や槌宮神社とか)にはガラス囲いが無いところを見ると、最近の(ここ20~30年の)風習のような気がします。

さて他の地域でもこういうガラス囲いがあるのかどうか、は別の記事で。