tkmov(バイクとローカル線と)

バイクでローカル線を巡るという、少し変なブログ。訪問駅のリストは、カテゴリ「事務連絡」の中の「駅名リストのリスト」から辿る事が出来ます。

上高地線:渕東駅 (えんどう)

(波田) - 渕東 - (新島々)              (訪問日: 2023/10/22)

波田駅から渕東駅に向うと梓川扇状地の要に近づいて来て、河岸段丘2段目の国道158は少しづつ標高を上げる一方で、上高地線は同じ標高で進むので、段丘3段目から降りてきた線路を国道が迎える格好になります。

このあたりで特徴的なのは、間口の広い二階建てで一枚切妻屋根の家が多い事。建築用語が分からないので下の写真を見てもらうとして、昔の宿場町ではこういう造りで平入になっているウナギの寝床の様な商家がありますが、ここは妻入りだし独立家屋なのでそういうのとは違います。

そういう大きな民家の並ぶ国道から左折して、生垣の間を通り抜けて渕東駅に向かいます。下は国道から駅に入る交差点(横断歩道標識の所)ですが、知っていないとちょっと分からないと思う。

下が国道側から見た渕東駅で踏切の脇から入ります。NC750Xを止めている所は駅の駐車場ではなく近くの保育園の送迎用なのでご注意を。次の写真は駅から国道側を見返したところで田圃の向こうが例の保育園。さらにその向うに山が迫って見えて、山間に入ってきたのが分かります。

渕東駅は踏切脇にある単式ホーム1面1線の無人駅で踏切脇の階段から入ります。ホーム上には待合所が1棟と屋根付き駐輪場が約10台分あります。ホームへは階段脇にスロープがあるのでバイクでも駐輪場に入れますが、ホームにのっている大型二輪というのは絵柄が悪いので、ちょっと憚られます(かつて久代駅とか馬流駅とか、気まずい場面が多々あったので)。自動券売機、自動改札は設置されず、駐車場、トイレもありません。

駅名標にはイメージキャラの渕東なぎささん。西松本駅と同じ絵柄です。実は白状すると、西松本駅でこのキャラを見てからここに来るまで「渕東」を「えんどう」と読めず、「ふちひがし」と勘違いしてまして。ロードマップには駅名が平仮名でのっているので、ずっと「ふちひがし駅はどこにあるんだろう。次は、えんどう駅なんだが」と間抜けな事を考えていて、この駅に来て初めて「えんどう」=「渕東」と理解した次第。イメージキャラに「ふちひがし」って変な名前を付けるなあ、と思いながらね。

古くは「渕東の渡し」というと北国街道の支道の要所として有名であったようで、この地名は古いのでしょうが、明治中頃の東筑摩郡四賀村の人の日記でも、この地名を聞き取るときに「遠藤島」と当て字で記しているので*1、よそ者の私が渕東を「えんどう」と読めなくてもしようが無いと思うのですよ。
と思ったら、小さくフリガナをふってありました。でもほんとに小さい。新島々駅近くの地元の人は、"えんどう"以外の読み方を考えたこともない、と言ってましたので、ここの人にとっては説明するまでもない、という事なんでしょうね。

閑話休題。下はホームから見た新島々方面、次が松本方面。ホームは松本から見て右側でホーム長は71歩ですが、かさ上げや白線があって実際に使っていそうな部分は55歩分です。

おまけ:長野県、山梨県は田舎の街路でも(失敬)、瀟洒な街路灯がついている所が多いように思います*2。それも特に商店街というところ以外にもあって、渕東駅近くの国道もその一例で、これはスズランの意匠でしょうか。

 

*1:信濃教育1070号(1976)ウェストン師をめぐる人々(横内斎): W・ウェストン(日本アルプスの紹介者)を案内した中沢弥惣右衛門氏の日記

*2:近くで言えば大庭駅聖高原駅。南に下って甲斐常葉駅とか