(訪問日: 2018/10/14)
大白川駅を過ぎれば、あとは六十里越峠をこえて会津側の田子倉湖にでます。新潟県側は車もほとんど通らず、ワインディングが気持ちいい山岳路。橋ごとに道幅をしめすポールが建てられていて、冬の積雪量を思い出させます。(まあ冬季閉鎖区間なので、冬にこのポールを見るにはスキーツアーで来るしかないですし、ツアーではこのポールが命の道標になります) 一方で只見線は標高500mくらいで早々にトンネルに入りますので、こういう景色を見られないのはもったいない。
峠のトンネルに入る直前に見えた稜線は1000m程の高さながら森林限界を超えた低木林で、北へやって来たことを実感します。
トンネルを越えて福島県側に来ると、田子倉湖の谷沿いをなめるような九十九折のうえに、日曜と言うのに作業用重機、トレーラーが走っていてなかなかペースがあがりません。下の写真はそういうシーンをたまたま撮った1枚ですが、ちょうどスノーシェードの右側に見える谷の反対側の覆道は、只見線が一カ所だけトンネルから顔を出した部分で田子倉湖駅跡があるところ(実は帰ってから調べて気づいたのですが)。だいたい冬季閉鎖区間内で人家から数㎞はなれたところに、何であるのか秘境駅ですな。
山道をようやく抜けて、田子倉ダム堰堤横の駐車場で一休み。レストハウスもあり、休日という事もあり、ここを目的地にしている人が多かったみたいです。紅葉には少し早く、みなさん残念そうでしたね。
こちらは田子倉ダムを、下の只見湖から見返したところ。今から30年前に会津側から来たときは4月だったので、ここの冬季閉鎖ゲートで引き返したものでした。只見湖畔のレストハウスで湖を見ながら、この後どこへ行こうかと考えあぐねていた時にクマ撃ちのハンターに言われた「いいねえ、学生さんは自由で」という言葉は今でも覚えています。就職して学生時代のような気儘な旅は出来なくなったけど、30年かかったけど、幸いにしてもう一度ここに来るくらいの時間は持てたよ、とその時のおじさんに答えてみたいところでした。