伯耆地方の山陰本線の駅間距離はおおよそ4~5kmですが、名和駅と御来屋駅の間は1.1kmしかありません。この2駅は不自然に近いという事の他にも、駅名と設置場所の地名が合致しないとか、かなり錯綜していて複雑です。
まず御来屋駅があるのは旧御来屋町ではなくて旧光徳村の西坪地区、一方で名和駅があるのは旧御来屋町で、かつての御来屋宿にあたります。では名和という地名がどこかというと、御来屋の山側で名和川を遡った大山山麓になります。御来屋漁港も太平記を見たりすると、かつては「名和湊」と呼ばれていたようです。
更に「みくりや」という地名は通常、馬の放牧地の事ですが、御来屋宿付近は山の迫った港町なので放牧地という風情ではなく、かわりに陸軍省軍馬補充部があったのは御来屋の西隣の旧名和町(更に昔は庄内村)富長という調子で、なかなか複雑でよそ者には分かりにくい。
まあ、御来屋駅が御来屋の東端外側に作られたというのは地形を見れば想像できて、山がちの御来屋宿では終着駅のためのスペースを確保できなかったという事だと思います。その代わりに御来屋宿のすぐ近くに名和駅が遅れて設置されたとは想像できますが、その由来を調べるのは郷土史調査の領域ですね。(個人的には、名和長年と後醍醐帝史跡めぐりのアクセス駅というアイデアも捨てがたいですが)
(c) googlemapより
山陰本線:名和駅 (なわ) - tkmov(バイクとローカル線と)
山陰本線:御来屋駅 (みくりや) - tkmov(バイクとローカル線と)
山陰本線:沿線-御来屋漁港 後醍醐帝史跡 - tkmov(バイクとローカル線と)