tkmov(バイクとローカル線と)

バイクでローカル線を巡るという、少し変なブログ。訪問駅のリストは、カテゴリ「事務連絡」の中の「駅名リストのリスト」から辿る事が出来ます。

只見線:滝谷駅 (たきや)

(郷戸) - 滝谷 - (会津桧原)                    (訪問日: 2018/10/14)

会津西原から郷戸の間は、只見線と只見川、沼田街道(国道252)が並走していないので、次の駅に行くにも国道を行きつ戻りつになります。只見川沿いにある会津桧原駅から隣の滝谷駅へは、山側に奥まった沼田街道を過ぎて県道32号までもどって向かいます。会津桧原駅から出て来たところは旧沼田街道と田島への街道の合流点で、かつては滝谷宿として栄えたとの事。

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下は滝谷集落を過ぎて、少し下流の滝谷川畔に建っていた説明板。

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滝谷宿の繁栄と沼田街道
 大沼郡滝谷組滝谷村は古くから歴史の舞台に登場し、山ノ内俊政永楽銭百貫分滝谷岩屋城の城下町として発達した中世期以来の伊北及び金山谷郷の中核の地でもあった。
 また、滝谷村は若松から伊南・伊北へ通じる広義の沼田街道、正しくは伊北街道沿いの要所に位置していたため、早くから宿駅として繁栄した。
 宿駅は、巡検使や幕府高官の休泊地として多く利用されたが、明治二十四年以降は、沼田街道改修による路線の喚線により交通が遮断され、これより急速に衰退した。
 現存する古絵図には街道に沿って町割りされた家並が短冊状に並び、宿中央には制札所があり、街道中央には渠(町割り)の存在も明記されている。現在は明治三十五年の大火で渠の跡は残っていないものの、町割りは今も当時の面影を残している。

巌谷城と山ノ内家
 巌谷城は滝谷集落の北端、下舘山に主郭を築き、集落を取り巻く上の山、上舘山、小舘山に出城や見晴台を構築した大規模な中世山城である。
 城は、若松蘆名氏の領地で、伊北郷横田に居をかまえる山ノ内氏の動静を探索する最前線基地として、蘆名直盛により明徳元年(1390)に築城されたといわれている。
 永禄元年(1558)四月二十六日、山ノ内一族沼沢出雲守の仲裁で横田ならびに滝谷山ノ内氏は蘆名氏と臣従関係を結び、山ノ内俊政は巌谷城の新城主として安堵される。
 その後、秀吉の欧州仕置き等、滝谷山ノ内家は土着し、近世期一貫して滝谷組の郷頭職を世襲する名門となった。

滝谷風穴
 下館山の北側裾野にある滝谷風穴は、真夏でも5度~7度の冷風が吹き出すところで、滝谷風穴と呼ばれている。近隣の住宅でも裏山から出ている箇所があり、これらの家では今も冷蔵庫代わりに使われている。
 大正時代の農務省農務局の繭業取り締まり成績には滝谷の若林吉三郎が繭種6992枚を冷蔵保存していた記録が残っている。繭種を冷蔵し、時期をずらして蚕様を孵化させ、年数回にわたって養蚕をしていたことがうかがえる。

そもそもルートマップで国道252を沼田街道と書いてある理由も知らない上に、ここの説明によると「正しくは伊北街道」と書かれていて、街道筋の名前でさえ一筋縄ではゆかず勉強の種は尽きないものです。(普通、伊北と言えば伊那盆地を思い起こしますが、只見と田島の間も伊北、伊南と言っていた様ですね)

滝谷駅は駅舎が無くホーム横に待合室とトイレが1棟ずつ。その他に倉庫もあったかも。待合所は1室のみで自動券売機、改札機、自販機などは無し。駅前広場に駐車スペースなら5~6台分、駐輪場は確認できず。小さな集落の突き当りの駅なので周囲に売店などは無し。
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ホームは島式ホームで1面1線、構内踏切を通って入ります。線路が1線で側線もないのに何で構内踏切があるかと言うと、島式ホームと駅舎の間にあった昔の線路が、踏切りのとこだけ残っているから。まるで、おもちゃかジオラマの様に。

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昔は待合所があったところが貨物ホームだったそうですが、そのせいかホーム長は約80歩で他の駅より少し長くなっています。今の線路の反対側にあるホーム跡は列車交換していた名残か。

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イナバ物置にも律儀に財産標を貼っているんですね。

 

下の写真は県道から滝谷駅へ入って来て、進入路を振り返った所。夕日が近づく曇天の下、草叢に覆われた公園のブランコが少し寂寥感をもよおします。

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