JRでは駅舎、待合所には建物財産票が貼ってありますが、JR各社でそれぞれ特徴があります(といっても東、東海、西しか見てないですけど)。*1
JR東は施工者とか基礎方法、許容積雪量まで書いた詳細なもの、JR東海は建物種類コードと連番を記載したシンプルな財産標です。共通するのはどちらもアクリル製で様式が共通化され、基本的にはどの駅にも貼付けられている事。たぶん民営化した際に全部貼り直したんだと思います。
それに比べてJR西の建物財産標は様式も材質も、付いているかどうかという点でもバラバラ。国鉄時代から変えてないんだろうと思います。面白いのは平成になって建替えた駅舎の財産標で、各路線の異なる様式を踏襲して作られている事。たぶん統一しようという気が無いんでしょうね。そういうところがスタンプラリーみたいな楽しみがある訳です。(という風に説明しても、やはり変な趣味だなあ)
今まで見てきた財産票を分類するとこんな感じ
1. 設置年代の新旧
今まで見た中の新旧番付です。木製財産標は年号が無いので、金属/アクリル財産標で比較です。
古い方
- 山陽本線 : 尾道駅 (M25(1892)年3月) アクリル製 (2017年に駅舎建替えたので、今はもうないと思います)
- 山陽本線 : 河内駅 (M27(1894)年3月) 金属製
- 播但線:香呂駅 (M27(1894)年8月) アクリル製
- 山陽本線:岩田駅 (M35(1902)年8月 金属製の下にアクリル製を再設置
- 山陰本線:米子駅 (M35(1902)年11月 上屋) アクリル製
- 中央本線 : 小淵沢 (M37(1904)年10月) アクリル製
- 吉備線:吉備津駅 (M37(1904)年10月 便所) アクリル製
- 美祢線 : 厚保駅 (M38(1905)年9月) 金属製
- 山陰本線 : 岩美駅 (M42(1909)年11月) アクリル製
- 山陰本線 : 宍道駅 (M42(1909)年11月) アクリル製
- 信越本線:二本木駅 (M43(1910)年9月 駅舎) アクリル製 (今は妙高はねうまライン)
- 可部線 : 可部駅 (M44(1911)年9月) 金属製
- 山陰本線 : 江南駅 (T2(1913)年11月) アクリル製
- 山口線 : 上郷駅 (T3(1914)年11月) アクリル製
- 山口線 : 徳佐駅 (T3(1914)年11月) 金属製
- 山口線 : 地福駅 (T7(1918)年11月) アクリル製
- 美濃赤坂線 : 美濃赤坂 (T8(1919)年6月) アクリル製
新しい方(今まで見た中で、平成の財産標は以下だけだと思う) *2
2. 材質と様式
先に書いた様にJR西の建物財産標は様式、材質とも多彩なので、簡単に分類するとこんな感じ。
- アクリル白色2: 白色1タイプと同じで国鉄名称が無いもの(この形式が主流)
- アクリル白色3: 白色2と同様に「財第xx号」が書いていないタイプ(山陰本線に多い)
-
アクリル橙色: 白色1の形式に近く橙色。特徴は基本的に駅名が記載されている事。
- 金属製1: おそらくアクリル製に変わる前のタイプ。上にアクリル板をかぶせて保護しているところが多い。
- 金属製2: デザイン的にはアクリル製と同じもの。上の金属製1は多分真鍮製ですが、こちらは色合いからするとブリキ製。まだ伊里駅でしか見たことがありませんが(2017年現在)、アクリル製に移行するまでの過渡的なデザインか? 建物種類の記載も普通は「本屋1号」と書くところですし、ちょっと他とは違う事情があったのかも。*3
- 木製: まるで表札のような形で、決まって駅舎の改札内側の軒下に掲げてあります。(ただし備中神代駅のは移築した車寄せの物なので、設置時とは違う位置についているものと思われ) 今のところ見たことがあるのは、備中神代駅、亀嵩駅、三保三隅駅、滝野駅、江崎駅、重安駅、渋木駅の7か所のみ。(2018年追記:北上線 黒沢駅の便所にもあります。便所でこのタイプの札を見たのはここだけ)
3. JR各社による違い
JR西は上の通り多様ですが、JR東とJR東海の様式は統一されています。